深海を見に行こう! 新江の島水族館

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東京には、たくさんの水族館があります。

葛西臨海水族園サンシャイン水族館しながわ水族館

すみだ水族館エプソン品川アクアスタジアムなどなど、

どこに行こうか迷ってしまいそうですが、今回は深海生物が見られる

東京近郊の新江ノ島水族館(神奈川県)をご紹介します。

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□おすすめの水族館 新江の島水族館!

深海生物を展示している水族館は多いのですが、

新江の島水族館は、その数や展示方法でほかの水族館を圧倒しています。

日本には相模湾・駿河湾・富山湾という3大深海湾があります。

最近は、もう幻とはいえなくなったダイオウイカもだいたいこの3大深海湾に

生息しています。

そんな相模湾にほど近い場所にある新江の島水族館は、

海洋研究開発機構、通称ジャムステックと組んで深海生物を飼育しています。

□深海生物をみるなら 江の島水族館

深海は深さ200m以深の水域のことを言います。

「深海」といっても200m以深の中間層とよばれる場所から

6000m以深の超深海層まで、幅広いんです。

深海魚というと、なんとなく黒くて目玉が大きくて口が大きな魚を思い浮かべませんか?

ところが、スーパーで売っているタイやタラなんかも深海魚に入ります。

海上から釣れる深さから、潜水艦の深さまでをカバーしているのが

新江の島水族館です。

それを実現させているのが日本の深海探査の粋を集めた、

あの有人潜水調査船「しんかい6500」!!です。
しんかい6500

日本の最高技術が世界中の深海から採取してきた、貴重な資料を見られるのは

新江の島水族館だけです。

□新江の島水族館の熱水噴出孔

熱水噴出孔とは、火山活動が活発な場所から重金属や硫化水素などを含んだ

300度以上(場所それぞれですが)の熱水が噴き出す場所です。

およそ生物が生きるには不向きに思えますが、その噴出しているその場所にびっしりと

張り付いて生きている生き物の集団があります。

主にエビや貝やチューブワームですが、その生態などはほとんどわかっていません。

新江の島水族館では、その熱水噴出孔が再現されていて

沖縄の深海で採取された珍しい深海エビがいます。

ゴエモン

その名も「ゴエモンコシオリエビ」。

エビなんてみんな腰が折れているから海「老」なわけだし

釜ゆでの刑に処された石川五右衛門になぞらえてつけたなんて、

不謹慎この上ない、ひどいネーミングです。

ゴエモンコシオリエビは身体の内側にある剛毛の中にバクテリアを

繁殖させていて、バクテリアが溶解した鉱物資源からできる

有機物を食べているのか、バクテリアの死骸を食べているのか…

まだ不明点の多い生き物です。

集合体が平気な方は、画像検索してみてください。

思いのほかたくさんの生き物が蠢いていて、とぞっとできます。

□死んだクジラはどうなるのか

鯨骨生物群集という言葉を聞いたことがありますか。

割と最近(1987年)発見された新しい生物群で、まだまだ新しい発見がありそうな

生物群です。

人は浮くようにできていますが、7mも潜ると水圧で自然と海底に向かうそうです。

クジラも死ぬと、水に圧されてゆらりゆらりと沈んでいきます。

そうやって到着した海の底では、不思議な光景が展開されます。

暗い砂地の奥からどこからともなく大量のカニやヤツメウナギが集まり

肉を貪るように食べつくし、骨だけにします。

海洋哺乳類は脂肪が多いので、そこから発生するメタンや硫化水素を

分解する化学合成細菌が発生し、それを栄養素とする生物群が形成されます。

2006年には、ホネクイハナムシというこのクジラの骨に生息する

生き物も発見されました。

ホネクイハナムシ

これからの研究が期待されている「鯨骨生物群集」ですが、発見が難しいので

現在は陸に打ち上げられたクジラを海底に沈めて観察されています。

新江の島水族館では、それを再現した展示も行われています。

カニやウナギがクジラに集る動画は、ショッキングなものがありますが

水族館の展示は、もう安定した状態(骨だけ)なので安心して見られます。

□世界初のウロコフネタマガイの標本展示

深海生物はどれであれ珍しいのですが、なかでも珍しいのが

このウロコフネタマガイという、一部が金属で構成された巻貝です。

ウロコフネタマガイ

2001年にインド洋で発見されて世界中で話題になりました。

生まれながらに金属装甲がある生き物は世界広しと言えど、この貝だけ。

磁石がくっつくそうです。

生きていくうえで地球の磁力の影響を受けないのでしょうか。

このウロコフネタマガイはインド洋から日本に運ばれて数日間は

生きていたものの、すぐ死んでしまったそうで、新江の島水族館には

その標本が飾られています。

世界にたった一つ。新江の島水族館だけに。

□そのほか人気の深海生物

他にも飼育が難しくて、現在長期飼育に挑戦中のメンダコがいます。

メンダコは、ひらひらとした耳のようなものが付いていて泳いでいる姿が

とてもかわいいのですが、生きている姿を見られるのはとても貴重です。

通常1か月経たず死んでしまうそうです。

メンダコ

そしてダースベーダーのような顔をしたダイオウグソクムシやオオグソクムシもいます。

ダイオウグソクムシはメキシコ湾の深海にて最大50cm(1kg以上になるらしい)で

手前の水槽にいるオオグソクムシに目がいかないくらいインパクトがあります。

とはいえ、オオグソクムシだって15cmくらいあるのでダンゴ虫と思うと

結構な大きさです。

そもそもどうして「グソクムシ」はいなくて「オオグソクムシ」スタートなのか、

オオグソクムシが大きくなったらダイオウグソクムシになるんじゃないんだ、とか

水槽の前では話題が尽きません。

ちなみに、食べると案の定というかなんというか、エビとかカニのような味だそうです。

□おわり

水族館は通常は決して見ることができない水の中の世界をみせてくれる

ワンダフルな場所です。

「水族館」と言ってもシャチやイルカなどの海洋哺乳類に力をいれているところや、

現在はちょっと不調ですが、マグロの生態研究に力をいれている葛西臨海水族園など

それぞれの特徴があります。

まだわかっていないことも多いため、展示されているの生物もその時々で

見逃してしまったら生きて動いている姿を2度とみられない貴重なものもあります。

水族館によって力の入れ方がそれぞれなので、ぜひ色々な水族館にいってみてください。

ご高覧に感謝します☆

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