音楽出版社と作詞家・作曲家の契約について


MPA

作曲家・作詞家として活動する場合、多くの場合は

音楽出版社とよばれる会社と契約をします。

芸能人になるには、芸能事務所と契約するのと同じようなものです。

以下の音楽出版社がメジャー(メジャーデビューのメジャー)と言われているところです。

・EMIミュージック・パブリッシング(EMIグループだったが、ソニーグループと合併)
・ソニー/ATVミュージックパブリッシング(ソニーグループ)
・ユニバーサル・ミュージック・パブリッシング・グループ(ユニバーサルミュージック・グループ)
・ワーナー/チャペル・ミュージック(ワーナー・ミュージック・グループ)

他にも小さくても有名な楽曲の権利を管理しているところがたくさんあります。

最近は、音楽業界の不振から様々な事業展開をしている場合がありますが

ここでは一番わかりやすいスタンダードな例で解説します。

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□音楽出版社とは

音楽は、ざっくりというと「歌手と作詞家と作曲家」で構成されます。

このうち、作詞家と作曲家のことを著作権者といい、この二人が作る曲と詞で

構成される音楽を「楽曲」といいます。

歌手はその「楽曲=著作物」を、世間に公表する「著作隣接権者」という存在になります。

音楽出版社は、作詞家・作曲家(以下、作家といいます)を管理する会社です。

音楽出版社は、①著作権者と契約をして権利を譲り受け、

②楽曲が各方面で使用してもらえるようにプロモーション活動を行い、

③使用された楽曲の使用料を権利者へ分配します。

□音楽出版社と契約する意義

一言で言うと、作家の創作活動の保護のためです。

作家になった場合、楽曲が使用された時にはじめて収入となります。

TV・ラジオ・有線で流れた、CD・MusicVideoが売れた、アーティストのLIVE、

カラオケで歌われた、CMで使われた等など、使用方法は様々です。

ただし、使ってもらわなければ収入になりません。

この「使ってもらえる」というのが、非常に難しいのです。

作詞や作曲は誰でもできますが、お金にするのが難しいのです。

そこをノウハウを持っている音楽出版社が、様々な場所へ売り込み、

著作権の管理を行い、JASRACや使用者との様々な手続きを完了させ、

請求書を発行したり、支払いの催促をしてくれ、さらに入金されたお金の管理等

様々な手続きを行ってくれます。

作家自身がこれを全部一人でやろうと思うと、業界知識や法律などの

知識や、使用方法でもめた時の対処など、作家活動どころではなくなってしまいます。

ちなみに、JASRACに管理委託する方法もあるのですが、JASRACはそもそもが

楽曲の利用許諾と、著作権使用料の徴収・分配のみの取り扱いなので

プロモーションやそれ以外の事務手続きなどは自分でやるしかありません。

ぜひ、音楽出版社と契約をしましょう。

□音楽出版社と作家の契約内容

ざっくりとですが、以下の内容で契約を行います。

1)著作権の譲渡

作家がもつ著作権のうちお金に関する権利を音楽出版社に譲渡する、というものです。

作家が音楽出版社にお金を全部渡します、というものではありません。

音楽出版社に権利の管理を任せ、別の項で定める方法で作家にお金を支払います、

というものです。

作詞家・作曲家の両方が半分ずつ楽曲の権利を持っているので、2人で連絡を取り合って

その使用方法についてOKの許諾を出すか出さないかの協議をする必要があります。

しかし、全部の楽曲が同じ作詞家・作曲家のペアとは限らないし管理が大変です。

けれど、権利を音楽出版社に譲渡しておくと

ある程度は希望を聞いてくれた上に、仕事を円滑に進めてくれます。

例えば

ある作詞家はパチンコが嫌いでパチンコのCMには曲を使ってほしくないとします。

音楽出版社はその意図を汲み、仕事を探す際には作曲家にもその意向を伝え、

それでもかまわないか、都度相談かという話を付けてくれます。

そして、音楽出版社はパチンコ以外のCMのタイアップ契約を取ってきてくれ、

関係各所との契約書をつくり、お金の入金までの管理を全部やってくれます。

2)著作権管理の方法

別の記事【JASRACと契約するメリット】でも紹介しましたが、

個人や1会社が国内外の多岐にわたる音楽使用料を回収するのは不可能です。

そこで、JASRAC・イーライセンス・JRCなどの音楽著作権管理団体(事業者)との契約を行い

著作権の管理を信託(委託)します。

ややこしくなりますが、

作家とJASRACが契約。

作家と契約している音楽出版社もJASRACと契約。

3者で上手に著作権を管理しましょう、という話です。

ここは別の機会に詳しくお話しします。

3)作詞家・作曲家のお金のはなし

1)著作権譲渡にでてきた、お金の話です。

一番多いパターンだと

音楽出版社と作家それぞれが半分ずつお金を分けることになります。

音楽出版社おかね

具体例

例えば、楽曲が使用されて1200万円のお金が入ってきました。

作曲家(赤)と作詞家(黄)は半分ずつ権利を持っているので

それぞれ600万円(6/12)ずつもらえます。

ただし、契約によって作家と音楽出版社は半分ずつ分けるので

作家それぞれが300万円(3/12)ずつ、音楽出版社に渡します。

音楽出版社はトータル600万円(3/12+3/12=6/12)を貰えることになります。

分母を12とするのは業界慣例です。

この分配は、年4回、3・6・9・12月に行われることが多く

作家さんたちは年4回の給料日があることになります。

3)その他

他にも、作った詞や曲が盗作じゃないことを保証してね、とか

契約は10年ごとにしましょう、とか細かい規定が続きます。

これは、MPAという一般社団法人日本音楽出版社協会が契約書の雛型を作っていて、

作家も音楽出版社も安全に契約を結べるようになっています。

先ほどの分配金の割合などは、交渉することもできるので有名な作家さんなどは

権利を4/12を持っていることもあります。

□作詞家・作曲家になるために

あまり表舞台にはでてこない音楽出版社の仕事の話でした。

作詞家・作曲家自体が、縁の下の力持ちということもありますが

実は音楽では一番収入を得られる仕事でもあるので、仕組みを知って、

作詞家・作曲家を目指してほしいと思います。

ご高覧に感謝します☆

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