広告で音楽を使う タイアップ
TV番組やCMで、日本のアーティストの新曲が使われていることがあります。
これを「タイアップ」といいます。
□タイアップって実は狭義の言葉
TV番組やCMで音楽が使われることはたくさんあります。
その中でも「日本人アーティストの新曲をテーマソングのような形で使用すること」を「タイアップ」といい、
外国人アーティストの新曲・旧譜、日本アーティストの旧譜を使うことは
「楽曲使用」などと言い方を分けて使います。
何が違うのかというと、お金。
音楽だって、音楽で食べていく人たちがいる以上、対価を払う必要があります。
ただ、新曲に関しては「新曲でましたよ!!買ってください!聞いてください!!」という
新曲のプロモーションの効果も得られるため、基本的には「無料」で使用することができます。
一部例外もあって、すでにプロモーションをしなくても売れる大人気アーティストは
「使用料」とは別の名目でお金を支払うこともあります。
□誰にお金を払うの?
音楽はざっくりというと、 作詞家・作曲家・アーティストで作られています。
でも、実際には権利関係を処理したり、スタジオや機材を準備したり、録音したり
販売したり…とたくさんの事務手続きが必要です。
作詞家・作曲家の事務手続きは「音楽出版社」が担当します。
アーティスト関係は「レコード会社」が担当します。
ということで、TV番組やCMで音楽を使用するときは
「音楽出版社」と「レコード会社」と契約を結び、お金を払うことになります。
割合は1:1です。
音楽出版社が500万円といえば、レコード会社にも500万円払わなければいけません。
2者は協力関係にあるので、どちらに聞いてもどちらかだけ高い金額を言ってくることは
ほぼありません。
でも、「タイアップ」の場合は、「TV番組での1クール、無料で使っていいですよ」といった
内容の契約を結ぶのです。
広告主にとっては人気アーティストの音楽を、無料で使えるなんてお得です。
人気アーティストの音楽が流れれば視聴者はふと、TVに目をやるし
CMであれば商品が売れるかもしれません。
□JASRACにお金を払う
悪名高き、JASRACはどこででてくるのかというと、音楽著作権使用料の支払い先としてです。
「音楽出版社」や作詞家・作曲家はJASRACと契約を結んでいるので
TV番組のスポンサーやCMの広告主は、上記の例でいう、「音楽出版社」への500万円を
JASARCへ入金します。
JASARCは、使用料規定というのを定めていて
支払われたお金、「使用料」から一定の手数料を引いた金額を音楽出版社、作詞家、作曲家に
支払っています。
ちなみにタイアップの場合は、JASRACも
「1年間、3つの商品までなら無料で使ってもいいよ」という規定を定めています。
それ以上の期間の使用については、放送使用料として支払わなければなりません。
というのも、あまりに無料で使われると作詞家・作曲家・その他大勢の人たちに
正当な対価が支払われなくなり、音楽業界が衰退する危険性があるからです。
悪しざまに言われるJASRACですが、権利者の保護等
ちゃんとしているところもあるのです。
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