暁斎を見に行こう~♪@三菱地所
百鬼夜行が大好きな人にはたまらない
あの河鍋暁斎の展示を、三菱一号館美術館でやっています。
前半と後半に分かれていて、前半は8/2まで、後半は9/6までなので
お早めに。
□三菱一号館美術館で暁斎な理由
三菱一号館美術館は、建築家コンドルが建てたものです。
とはいっても、コンドルの建てた建築物は現在ではほとんど残っていなくて
三菱一号館も、建て直しされたものです。(でも雰囲気があっていいところです。)
ジョサイア・コンドルは、熱狂的日本フリークな英国人で
遠路はるばる日本までやってきて、鹿鳴館や目黒雅叙園などの有名建築物で有名ですが
三菱財閥創始者岩崎一族の家をいくつも建てた、三菱に縁のある建築家でもあるのです。
コンドルの日本好きは、そんじょそこらの日本人より日本人らしく、
海外向けに日本を紹介する分厚いレポートを作成したり、
日本舞踊を習って、日本人の妻をめとり、
当時大人気だった日本画家 河鍋暁斎に師事して、日本を満喫していました。
コンドルだけだと集客力が弱いから、暁斎呼んじゃおうという
そんな三菱の思惑がちらほら垣間見える展示会です。
□河鍋暁斎という天才
暁斎については、前にも色々と語りましたが、
日本画家という堅苦しい枠の中にいることもあれば、
とても躍動感と表情のある、ユーモラスな画をかける画家でもあります。
個人的には、暁斎の妖怪や神話をモチーフにした絵がお勧めですが、
今回はコンドルが絡んでいることもあってか、前半の展示会は全体的にぼんやりしていて
個人的にはあまりグッとこなかったです。
これで「暁斎ってこんな感じか~」と思われるのはちょっと心外。
とはいえ、今回の展示のいいところは、暁斎の才能の幅をみることができるところです。
仏画・風景画・美人画・動物・妖怪・春画などなど
それぞれ「ちゃんとした」画で面白かったです。
仏画や風景画・美人画は生真面目に描かれた雰囲気があるし、
動物は真面目なものもあれば、鳥獣戯画をモチーフにしたユーモラスなものもあります。
特に動物は、
鯉と猿が秀逸でした。
鯉のウロコの感じ、ふっくらとよく太った鯉が水を蹴ってうねる様子が画として表れる不思議な感じ。
応挙の鯉もいいけど、暁斎の鯉もいい。
コンドルの鯉も上手だけど、なにかちょっと足りない感じ。
(応挙) (暁斎) (コンドル)
そして猿。
ふっくらと毛を膨らませて熱を溜め込む猿の様子は黒一色なはずなのに
もこもこと柔らかくて暖かそうです。
縮こませた腕の曲がったところの毛の密集や、毛の生え方、向き、
地殻で見れば見るほど、緻密です。
□日本画とはいってもジャンルは様々なのです
日本画の良しあしは、私にはわかりませんが
雪舟や応挙をみると、圧倒的な美しさに「おお~」と思うし
暁斎に至ってはちょっとわくわくします。
たぶん、表現力が半端ないのでしょう。初心者の私が見ても、楽しいです。
今回の暁斎の展示場で一番混んでいたのは、春画エリアでした。
そこだけものすっごく混み合っていました。主に60代くらいのおばさま方で。
動かざること、岩のごとし。
今回は、あまりにも混んでるから素通りしたけど、ちょっとくらいは見たかったな~。
春画は検索してみてください、発想が斬新!!
ご高覧に感謝します☆