古き善き時間が残る 久米島
久米島トライアスロンの同行者として、久米島に行ってきました。
とてもいいところだったのでご紹介します。
□歴史と文化
史書に最初に登場するのは『続日本紀』にて、714年(元明天皇)に
太朝臣遠建治らが奄美・信覚(現八重山)・球美(くみ 久米島)から
52名を連れてきた、とあります。
中国や半島との交易が盛んな時代だったので中継地点だったのではないでしょうか。
また「米」で有名だったようで、その他いろいろな歴史書に「九米島」「粘米島」「姑米島」などの
言われ方があるに、お米とは切っても切れない島だったようです。
湿地を守るラムサール条約の登録地もあるようにお米を作るのに適し、栄えたのかもしれません。
久米島は1264年には琉球王国に入貢していたので、すでに支配者がいたようですが
島の伝承では13~14世紀に城(ぐすく)が築城されたといわれています。
その城は王様とその息子3人が築城した4つが有名なようですが、
息子の時代に本島系の伊敷索(いしきなは)按司一族に攻め滅ぼされたそうです。
(この伊敷索も後に首里軍に攻められて滅びます。)
理由は本島への朝貢を怠ったとか、琉球王朝の中央集権に従わず独自の貿易で
利益をあげたから?と推察されているようです。(上江洲均)
タクシーの運転手さんに聞いたところによると、
久米島の東に築城した三男は妾腹だったそうで、出身の島を見ては泣き暮らす母のために
島がみえる山に登武那覇城を立てたとか。
その頃の城(ぐすく)は、その時代のものがそのまま残っています。
本土では、鎌倉時代から室町時代へ移行してた頃のお話です。
□久米島の観光 ハテの浜
ここは、久米島では一番のお勧めです。この日はあいにくの曇天でしたが
真っ白な砂浜にどこまでも続く青い遠浅の海。たくさんの熱帯魚。
波打ち際にはサンゴがたくさん打ち寄せられていて、波の引き際には
サンゴが奏でるシャラシャラという音が、異国情緒すら誘います。
シュノーケリングをしたのですが、ルリスズメやベラ、クマノミなどの
カラフルな魚の他、シャコガイなどの貝類やガンガゼ(うに)やナマコなど
たくさんの魚を見ることができます。
少し深いところにはアオウミガメがサンゴに隠れようと、ジタバタしていたり
大きなエイや魚が遠浅の海の白い砂浜に見えました。
生き物が多い海は楽しいです。
□久米島の観光 その他
久米島の観光は、普通の観光地と違っていて結構面白かったです。
商売っ気がなくて、「○○です。(天然もの。放置)」とか、
「みどころです!どーん!(1つ)」というかんじ。
資本主義にまみれた身には、心地よい気の抜け方でした。
【久米島ウミガメ館】(http://www.churashima.net/shima/kume/special/umigame/index.html)
大きな水槽にウミガメが10頭ほどいます。
アオウミガメがメインのようでしたが、タイマイやアカウミガメもいました。
見ていると飼育員さんが、イカ・イワシ・レタスを水槽に豪快に放り投げ、
カメたちと、水槽の中に一緒にいる熱帯域の魚たちが一生懸命、食べ始めます。
カメの食べ方って独特でかわいいです。
ちょっとタメた後に斜め上から、ムシャ!
亀たちが産卵に来る島でもある様なので、環境保全には協力したいです。
観光で行く場合には、餌のくらげと間違いやすいビニールには特に気を付けてください。
【畳石】
ウミガメ博物館から徒歩3分にあるのが、畳石です。
溶岩流が冷えて固まる時に、体積が収縮して六角形のような形になったようです。
田んぼが干からびるような感じでしょうか。
ただ畳石しかない場所なのですが、海がきれいだし、
溶岩がそのまま固まって、干からびた場所なんてめったに見られない場所だと思います。
【熱帯魚の家】
コバルトブルーのルリスズメやカラフルなベラ、カニ、ヒトデ、イソギンチャクなどが、
覗き込めるタイドプールです。
シュノーケリングをしなくても、熱帯魚を気軽に見られる楽しい場所です。
そのあたりは一帯、ごつごつとして鋭い岩場になっていて、火山でできた島だと
感じさせてくれる場所でもありました。
久米島が属する霧島火山帯は、色々な性質の溶岩がでる場所らしいです。
【その他】
私が尋ねた3月はサトウキビの収穫の時期でした。
とはいえ、沖縄のようにサトウキビジュース250円!のような出店はなくて、
ひたすらおじぃがトラクターで、豪快に収穫をしていました。
目に留まるのが土の赤さ。
さすがに火山島。土地が酸化して真っ赤です。
コンビニやお土産屋さんでは、100円で久米島そばが置いてあります。
ほかにももずくやアーサのてんぷらやポーク卵のおにぎりなど、
土地の食べ物がたくさん置いてあるので、とてもおいしかったです。
□久米島のいいところ
何よりもいいところは、島の皆さんが温かいところです。
親切で、笑顔で、ギスギスしたところがまるでないのです。
通りすがりの方は挨拶をしてくださるし、タクシーの運転手さんは話好き。
そこらへんを歩いているおばあちゃんに話しかけられて、数分後には
孫になったような気すらしてきます。かわいいおばあちゃんが多い!!
都会の喧騒を忘れるために、人と会うというのは意外とキくなぁと
思った久米島でした。